大人のH. pylori検査と除菌は一般的になっており、近年では若年層を対象とした集団に対する検査も拡大しています。
日本の中学生におけるピロリ検査陽性率はどれくらいでしょうか?( Journal of gastroenterology and hepatology. 2025 Oct;40(10);2499-2506.)
2019~21年の3年間に、横須賀市の中学2年生を対象としたH. pylori検査プログラムについて検証しました。
このプログラムは2段階アプローチを採用しており、まず尿中抗体検査を実施し、続いて尿素呼気試験による確認を行いました。感染が確認された生徒は除菌治療を受け、その後のフォローアップ検査で結果を確認しました。参加率、治療効果、副作用、家族内感染調査に関するデータが分析されました。
その結果、2019~21年に横須賀市の中学生9,879例がH. pylori検査の対象となり、計6,270例が尿抗体検査を受けました。うち266例(4.2%)がH. pylori抗体陽性でした。その後、231例が確認の尿素呼気試験を完了し、73例(1.2%)が陽性と診断されました。
除菌1次治療はアモキシシリン+クラリスロマイシン+エソメプラゾールの3剤併用(PAC療法)、2次治療はアモキシシリン+メトロニダゾール+エソメプラゾールの3剤併用(PAM療法)でした。1次治療後の成功率は52.9%で、2次治療後に94.7%に上昇しました。軽度の有害事象(主に下痢)は、1次治療の27.0%、2次治療の22.0%で報告されました。
家族調査では、陽性が確定した生徒の48.5%に少なくとも1人のH. pylori陽性の家族がおり、治療と並行して家族内感染への対策の重要性が示されました。
以上から、日本の都市部在住の中学生におけるH. pyloriの有病率は1.2%で、約半数は家族感染していることが分かりました。また、1次治療および2次治療後の除菌率は全体で94.7%でしたが、1次治療の除菌成功率は低いことが分かりました。
勤務医時代、自分も消化器内視鏡を実施していたので子どものH. pylori胃炎、胃十二指腸潰瘍はよく遭遇しました。
肌感覚からすると、都市部より田舎の方が感染者は多いような気がしますが、誰か調べてくれないかな? (小児科 土谷)


