出生後の肌と肌のふれあいが早産児の脳の発達を促す助けとなる可能性のあることが報告されています(Neurology. 2025 Oct 21;105(8);e214138. )。

Skin-to-Skin Holding in Relation to White Matter Microstructure in Infants Born Preterm | Neurology

 

本研究では平均在胎週数29週の早産児88人(女児49%)の発達を調査しました。早産児の平均体重は約2.7ポンド(約1.2kg)で、入院期間は平均2カ月でした。入院中の早産児に対するカンガルーケアの時間の長さ(1回当たりの時間と1日当たりの合計時間を含む)を調べました。家族の1日当たりの訪問回数は平均1回、1回当たりのカンガルーケアの時間は70分程度(30分〜2時間弱の間)で、ケアの73%は母親によるものでした。入院期間全体を通じて実施されたカンガルーケアの時間は1日当たり平均24分でした。早産児は退院前、正期産に相当する40週前後に当たる時期に脳画像検査を受けました。

 

その結果、カンガルーケアの時間が長ければ長いほど、注意力や感情の調節をサポートする帯状束と、感情処理や記憶に関わる領域をつなぐ前視床放線の2つの重要な脳領域の活動が上昇していることが明らかになりました。また、この関連は出生時の在胎期間、脳画像検査を実施した時点での週齢、社会経済的状況、家族の訪問頻度といった脳の発達に影響を与え得る他の要因の調整後も有意でした。

 

以上から、カンガルーケアは早産児に親との絆を通じた家族としての「つながり」をもたらすだけでなく、脳内での新たな接続を促して赤ちゃんの全体的な脳の健康状態を改善している可能性があることが分かりました。

 

生後間もない時期に提供されるカンガルーケアが、どのように脳の発達を形作り、子どもの健やかな成長をサポートするのか、解明されて欲しいな~と思います。 (小児科 土谷)