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見附市小児科 みつけこどもクリニック | 小児科一般診療・予防接種・乳児健診 見附市

女子小中学生のスクリーンタイムと肥満の関係

日本人の女子小中学生のスクリーンタイムと肥満リスクについて検討した新潟からの報告(Endocrine journal. 2024 Feb 28;71(2);171-179.)です。

Association between screen time, including that for smartphones, and overweight/obesity among children in Japan: NICE EVIDENCE Study 4 (jst.go.jp)

 

2018~2019年の間に、新潟県阿賀野市と三条市が実施する生活習慣病予防事業に参加した10~14歳の小児2,242人(平均年齢11.8歳、うち女子1,278人)を対象としました。

肥満は、国際肥満タスクフォースの定義に従って診断しました。自記式質問票を用いて、スクリーンタイムや身体活動量、睡眠時間を調査しました。

ロジスティック回帰モデルを用い、スクリーンタイムと肥満との関連を分析しました。

 

その結果、男子の14.5%、女子の9.9%が肥満と診断されました。全体の30.1%がスマホを使用しており、女子の方が使用率は高かった(女子34.5%、男子25.3%)ことが分かりました。ロジスティック回帰分析の結果、女子では、スクリーンタイムの総時間が1日に4時間以上5時間未満、またはスマホを3時間以上4時間未満あるいはスマホ以外の電子機器を2時間以上使用すると、それぞれ2時間未満、非使用、1時間未満の場合と比べて肥満が約3倍有意に増加していたことが分かりました。男子ではこのような関連は認められませんでした。

 

また、女子では1日にスマホを3時間以上かつスマホ以外の電子機器を2時間以上使用すると、それぞれ3時間未満かつ2時間未満の場合と比べて肥満のオッズ比は6.79倍に上昇していました。

スマホまたはスマホ以外の電子機器のいずれかが基準を満たしても、肥満のオッズ比は約3倍高値でした。スクリーンタイムの総時間が4時間以上5時間未満、またはスマホの使用時間が2時間以上の女子では、身体活動量が60分(23メッツ・時)/週以上または睡眠時間が8.5時間/日以上であれば、肥満のリスクは有意に上昇しませんでした。

 

以上から、小中学生・女子ではスクリーンタイムの長さと肥満リスクは有意に関連することが明らかになりました。

 

女子の小児肥満を予防するためには、スマホの使用は1日に3時間未満、スマホ以外の電子機器は2時間未満、スクリーンタイムの総時間は4時間未満に抑えながら、十分な運動と睡眠時間をとることが必要みたいです。

自分の場合は運動不足と睡眠不足が深刻なので、そちらから改善していきたいと思っていましたが、スマホの使用にも気をつけなきゃですねw (小児科 土谷)

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