デュピルマブで治療を受けたアトピー性皮膚炎患者を最長5年追跡調査したコホート研究を紹介します( JAMA dermatology. 2024 Aug 07; pii: e242517.)。

Long-Term Effectiveness and Reasons for Discontinuation of Dupilumab in Patients With Atopic Dermatitis | Dermatology | JAMA Dermatology | JAMA Network

 

日常診療で最長5年間治療を受けたアトピー性皮膚炎の小児、成人および高齢者における、デュピルマブ治療の臨床的有効性と治療中止の理由を評価する前向き多施設コホート研究を行いました。

BioDayレジストリ(オランダの大学病院4施設とその他10施設で登録)を用いて、2017年10月~2022年12月にデュピルマブによる治療を受けたすべての年齢のアトピー性皮膚炎患者を特定し、研究対象としました。臨床的有効性は、小児(18歳未満)、成人(18~64歳)、高齢者(65歳以上)で層別化を行い、Eczema Area and Severity Index(EASI)、Investigator Global Assessment(IGA)、そう痒Numeric Rating Scale(NRS)で評価しました。さらに、TARC値、好酸球数などを評価し、デュピルマブを中止した患者では、中止の理由を評価しました。

 

その結果、合計1,286例のアトピー性皮膚炎患者(年齢中央値38歳[四分位範囲[IQR]:26~54]、男性726例[56.6%])がデュピルマブによる治療を受けていました(小児130例、成人1,025例、高齢者131例)。追跡期間中央値は87.5ヵ月(IQR:32.0~157.0)で、ほとんどの患者が最長5年の治療期間にわたりアトピー性皮膚炎のコントロールを維持しており、EASIが7以下の患者は78.6~92.3%、そう痒NRSが4以下の患者は72.2~88.2%で、全患者の最大70.5%においてデュピルマブの投与間隔が延長し、ほとんどが300mgの3週ごとまたは4週ごと投与となっていました。


治療開始5年後、EASIスコア平均値は2.7(95%信頼区間[CI]:1.2~4.2)、そう痒NRS平均値は3.5(2.7~4.3)でした。EASI、IGAは観察期間を通じて年齢群間に統計学的有意差がみられたものの、その差(52週時点でEASIは0.3~1.6、IGAは0.12~0.26)は非常に小さいものでした。そう痒NRSについては、統計学的有意差はみられませんでした。


TARC中央値は、1,751pg/mL(95%CI:1,614~1,900)から治療開始6ヵ月で390pg/mL(368~413)へ大幅に低下し、低値を維持しました。好酸球数中央値は16週まで一時的に上昇したものの、その後は経時的に統計学的有意な低下がみられました。

 

合計306例(23.8%)がデュピルマブを中止し、中止までの期間中央値は54.0週(IQR:29.0~110.0)でした。多かった中止の理由は、有害事象98例(7.6%)、無効85例(6.6%)でした。41例(3.2%)でデュピルマブ投与が再開されていましたが、これらの患者の大半で奏効が認められました。

 

以上から、デュピルマブで治療を受けたアトピー性皮膚炎患者を最長5年追跡調査したコホート研究において、デュピルマブの臨床的有効性は維持されていたことが分かりました。

 

デュピルマブのアトピー性皮膚炎患者に対する長期的な有効性と安全性に関する研究でした。

近年のアトピー性皮膚炎治療薬の進歩は著しいので、ついて行くのがやっとですが、取り残されないように頑張って勉強しますw (小児科 土谷)