お酒を飲む側の自分としては、「適度な飲酒は心血管系に有益なのさ!」と自分に言い聞かせて飲んじゃってますが、それは本当なのか?調べてみました(Alcohol, clinical & experimental research. 2024 Oct;48(10);1915-1922.)w
アルコール摂取と動脈硬化の関係について調査した横断研究です。
英国のバイオバンクデータを使って、40~69歳の中高年を対象に分析しました。バイアスを避けるため、飲酒者のみを対象とし、連続的な分析を行うことで、アルコール摂取と動脈硬化の関係を明らかにしました。また、英国男性はビールを、女性はワインを好む傾向があるため、ビールを常用飲酒している男性9,029人と、赤ワインを常用飲酒する女性6,989人を解析対象としました。
その結果、男性は週平均17.8単位(1単位=10mLエタノール相当)のアルコールを摂取し、女性は週平均8.1単位のアルコールを摂取していました。
どちらのグループでも、アルコール摂取量が増えるにつれて動脈硬化指数(ASI)が直線的に増加する傾向が観察されました(低〜中程度のアルコール摂取で動脈硬化に利益をもたらすという根拠はなかった)。50歳未満と50歳以上で層別化しても、アルコール摂取量とASIには正の相関が観察されました。
以上から、この論文からは「少量の飲酒は動脈硬化に有益」というこれまでの見解は支持されないことが分かりました。
まだまだ異論も多いテーマなので、この論文だけで結論付けることは難しいと思いますが、少なくとも「ちょっと飲むくらいが体に良いということは、必ずしも全員に当てはまらない」ということは覚えておきましょうw (小児科 土谷)


