「人生100年時代」と耳にすることもあると思いますが、現状ではそうはいかないようです( Nature aging. 2024 Oct 07; doi: 10.1038/s43587-024-00702-3.)。
Implausibility of radical life extension in humans in the twenty-first century | Nature Aging
Human Mortality Databaseから、長寿国上位8カ国(フランス、イタリア、スペイン、スウェーデン、スイス、オーストラリア、日本、韓国)と、香港、および米国の1990年から2019年の年齢別・性別の年間死亡率と平均余命のデータを抽出し、死亡率と平均寿命に関する最近の傾向を評価しました。
その結果、直近10年での平均寿命が延びるスピードは、20世紀の最後の10年間に比べると遅くなっていることが明らかになりました。
対象とされた8カ国と香港では、1990年から2019年にかけて平均寿命は平均でわずか6.5年しか延びておらず、米国は10年間を単位として見た場合に初めと終わりの時点で平均寿命の低下が見られる数少ない国の一つでしたが、本研究でもこの現象が、20世紀の前半から中頃にかけて確認されました。これは、当初スペイン風邪や戦争による死亡などのイベントが原因でしたが、近年では2010年~2019年にかけての中年層の死亡率の増加により平均寿命が低下したものと考えられました。
食生活の向上や医学の進歩の恩恵を受け、19世紀から20世紀にかけて平均寿命はほぼ2倍に延びましたが、その延び方は鈍化し、最長寿国でも1990年以降の平均寿命の延び幅は平均するとわずか6.5年でした。
人間は生物学的な寿命の限界に近付いているのでしょう。
寿命をさらに延長させるには、「老化」の影響が最大の障壁となるのでしょうね。
これからはジェロサイエンス(老化研究)の分野が脚光を浴びるようになるのかな。。 (小児科 土谷)


