新型コロナウイルス感染症(COVID-19)とインフルエンザの臨床的特徴について検討した論文(NPJ primary care respiratory medicine. 2025 Jan 28;35(1);8. pii: 8.)を紹介します。

Differences in clinical characteristics between coronavirus disease 2019 (COVID-19) and influenza: a systematic review and meta-analysis | npj Primary Care Respiratory Medicine

 

PubMed、Embase、Web of Scienceで論文検索し、Stata 14.0でランダム効果モデルを用いてメタ解析を行いました。COVID-19患者22万6,913例とインフルエンザ患者20万1,617例を含む100の論文が対象となりました。

 

その結果、COVID-19はインフルエンザと比較して、男性に多く(オッズ比[OR]:1.46、95%信頼区間[CI]:1.23~1.74)、肥満度が高い人に多かった(平均差[MD]:1.43、95%CI:1.09~1.77)ことが分かりました。また、COVID-19患者はインフルエンザ患者と比べて、現在喫煙者の割合が低かった(OR:0.25、95%CI:0.18~0.33)ことも分かりました。


COVID-19患者はインフルエンザ患者と比べて、入院期間(MD:3.20、95%CI:2.58~3.82)およびICU入院(MD:3.10、95%CI:1.44~4.76)が長く、人工呼吸を必要とする頻度が高く(OR:2.30、95%CI:1.77~3.00)、死亡率が高かった(OR:2.22、95%CI:1.93~2.55)ことが分かりました。そして、インフルエンザ患者はCOVID-19患者より、上気道症状がより顕著で、併存疾患の割合が高かったことが分かりました。

 

以上から、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)とインフルエンザの臨床的特徴について、患者背景、症状、検査所見、併存疾患にいくつかの相違がみられ、COVID-19患者ではより多くの医療資源を必要とし、臨床転帰も悪い患者が多いことが分かりました。

 

COVID-19が5類感染症になって以降、めっきり注目されることが減りましたが、高齢者や基礎疾患を有する人たちにとってCOVID-19はまだまだ注意が必要な感染症です。該当する方々はご注意ください。 (小児科 土谷)