スポーツと学力との関連について調べた論文( Children . 2024 Sep 20;11(9); pii: 1140.)を紹介します。
カナダで行われている児童・青少年対象の縦断研究のデータを用いた解析です。
12歳の時点で何らかのスポーツを行っているか否かと、18歳時点での学業成績(自己申告に基づき満点を100%とした百分率で評価)、および、20歳までに高校を卒業またはそれと同等の資格を取得した割合との関連を検討しました。
解析対象者は2,775人で、男子が50.4%でした。
スポーツの種類は、構造化された競技(監督やコーチなどの指導の下で行われる競技)、審美系競技(ダンス、チアリーディング、および体操など)、構造化されていない身体活動(個人でスキルを磨くことの多い、スケートボード、サイクリングなど)という三つに分類しました。
スポーツへの参加とその後の学力との関連の解析は、家族構成、世帯収入、母親の教育歴・抑うつレベル、家族機能(家庭内の適切な役割分担や協力関係)、および、12歳時点での教師の判断による学力レベルなどの影響を統計学的に調整しました。
その結果、12歳の時点で構造化された競技に参加していた女子は、スポーツをしていなかった女子に比べて、18歳時点での学業成績が8.2%高く(P<0.01)、20歳時点で高校卒業資格を有している割合が7.1%高く(P<0.05)、審美系競技に参加していた女子は、学業成績が22.8%高かった(P<0.001)ことが分かりました(一方、構造化されていない身体活動を行っていた女子は、学業成績が7.7%低かった;P<0.01)。
一方、男子では、構造化された競技に参加していた場合、20歳時点で高校卒業資格を有している割合が14.6%高かった(P<0.001)ことが分かりました。
以上から、10代前半でスポーツを行っている子どもは、10代後半での学力が良好であるようです。
そして、構造化された競技に参加している子どもは性別を問わず、高校卒業資格を取得する割合が高く、女子では審美系競技に参加している場合に学力が高くなる傾向があるようです。
全ての子どもがスポーツ参加の恩恵を受けられるわけではありませんが、スポーツはしないよりもした方が良いみたいですねw (小児科 土谷)


