オミクロン株前後の自然感染による再感染予防効果を比較した研究を紹介します(Chemaitelly H, et al. Differential protection against SARS-CoV-2 reinfection pre- and post-Omicron. Nature (2025).)。
Differential protection against SARS-CoV-2 reinfection pre- and post-Omicron | Nature
結果のみ示しますが、オミクロン株の出現以前の感染では、再感染を80%以上の確率で防ぎ、その効果は1年以上持続していました。
一方、オミクロン株以降の感染では、3〜6か月後に81.3%あった予防効果が6〜9か月後には59.8%、9〜12か月後には27.5%まで低下し、1年後にはほぼゼロになりました。ただし、重症化を防ぐ効果はオミクロン株出現前後とも98〜100%と高く維持されていました。

この変化の背景は、ウイルスの進化の違いと推察されており、オミクロン以前は感染力の強化がウイルスの進化の目的でしたが、オミクロン以降は免疫回避が優先されるようになったためとされています。その結果、自然免疫の持続期間が短くなり、一度感染しても再感染する可能性が高まったものと考えられます。
以上から、オミクロン株の出現以降、自然感染による集団免疫の獲得は困難になったことが分かります。
つくづく、SARS-Cov-2ウイルスは厄介なウイルスだと思います。 (小児科 土谷)

