朝のコーヒーネタです。コーヒーに含まれるカフェインは消化器症状にどのような影響を与えるのでしょうか?( Journal of multidisciplinary healthcare. 2025;18;3717-3726.)
2005~10年の国民健康栄養調査(NHANES)のデータを利用し、カフェイン摂取量を導き出しました。排便習慣(便秘・下痢)およびIBDはNHANESの自己報告データに基づいて定義されました。ロジスティック回帰モデルを用いて、カフェイン摂取量と慢性便秘、慢性下痢、IBDとの関連を評価しました。年齢、性別、人種、教育レベル、社会経済的地位、喫煙状況、飲酒状況、BMIなどの潜在的な交絡因子を調整しました。
その結果、計1万2,759例の成人が対象となりました(この中には腸機能正常(n=1万785)、慢性下痢(n=988)、慢性便秘(n=986)が含まれた)。
カフェイン摂取量と慢性下痢には、正の関連性が認められ、1日当たりのカフェイン摂取量が1単位(100mg)増加するごとに、慢性下痢のリスクは4%増加した(オッズ比[OR]:1.04、95%信頼区間[CI]:1.00~1.08)ことが分かりました。
カフェイン摂取量と慢性便秘には、統計的に有意な関連性は認められなかった(OR:0.97、95%CI:0.93~1.02)ものの、U字型の非線形関係が認められました。便秘のリスクが最も低くなるのは1日当たり2.4単位(204mg)摂取した場合でした。これ未満の場合は、カフェイン摂取量が1単位増加するごとに慢性便秘のリスクが18%減少したものの、これを超えると摂取量が1単位増加するごとにリスクが6%増加していました。
そのほか、カフェイン摂取量とIBDの間には有意な関連性は認められませんでした。サブグループ解析と相互作用検査の結果、60歳以上の高齢者において、カフェイン摂取量が増加するごとに慢性便秘のリスクが14%減少した(OR:0.86、95%CI:0.77~0.95)ことが分かりました。
以上から、適量のカフェイン摂取は排便に役立つ可能性があるものの、過剰なカフェイン摂取は慢性便秘を引き起こす可能性があることが分かりました。また、高齢者の適切なカフェイン摂取は慢性便秘の予防に役立つ可能性があることが分かりました。
当院スタッフにも「コーヒー好き」の方がおられますが、何事も「適量」が大事と伝えておくことにしますw (小児科 土谷)

