どんな病気?
咽頭結膜熱は、アデノウイルスが原因の感染症です。以前はプール(水)を介して流行することもあったため、「プール熱」とも呼ばれます。多くは通常の風邪と同様に飛沫感染、接触感染によって人から人にうつります。
咽頭結膜熱は、主に3型、7型、1型、2型、4型アデノウイルスの感染によって起こりますが、3型によるものが最多と言われています。咽頭結膜熱は夏に流行し、冬にも小流行を起こしていましたが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行とともに一時発生が減少し、2023年夏から冬にかけて大流行を起こしたことは皆さんの記憶にも新しいと思います。
1~5歳の幼児が罹患しやすいですが、成人にも発症します。潜伏期間は5~7日で、突然の発熱で発症し、高熱が3~5日ほど続きます。このほかに、喉の痛み、目の充血や目やに(眼脂)が認められます。治療は対症療法です。
どんな症状?
咽頭結膜熱の典型的な症状は発熱と咽頭痛、目やに(眼脂)などです。熱は一日中高熱が持続することも、朝は微熱となり午後以降に高熱となることを繰り返すこともあります。
口腔内所見(咽頭や扁桃)は比較的はっきり認められ、のどの赤みが強く、扁桃腺が腫れて白い膿が付着していることが多いです。また、扁桃腺が腫れるため、いびきをかくこともあります。溶連菌感染症と症状が似ていますが、抗菌薬を使用しても解熱しないことが特徴です。
ちなみに、アデノウイルス感染症は感染するウイルスの種類(51種類あります)によって症状が現れる部位が異なります。流行性角結膜炎を起こした場合は、目の充血や目やに・涙目などの眼症状が強く認められますし、腹痛、嘔吐や下痢などの消化管症状が現れることもあります。また、出血性膀胱炎を起こした場合、排尿時痛や血尿を認めることがあります(2~3日程で症状は良くなります。血尿は1~2週間続くこともあります)。
予防するためには?
咽頭結膜熱の感染力はとても強いです。主な感染経路は飛沫感染、または手指を介した接触感染です。感染した子どもの排泄物に潜むウイルスが原因となる 「糞口感染」も起こり得ます。
咽頭結膜熱が流行している時期は、流水と石けんによる手洗いが大切です。タオルなどは感染者と共有しないようにしましょう。
アデノウイルスにはアルコール系の消毒薬の効果が乏しいことにも注意が必要です。発熱や咽頭痛などの症状のある時は自宅でゆっくり休養しましょう。
なお、下痢でなくても便からは数週間ウイルスが排泄されるため、便の処理、おむつ替えの後の手洗いはきちんと行いましょう。
どんな治療をするの?
アデノウイルス感染症には抗菌薬は効かないため、症状をやわらげる対症療法を行います。
のどの痛みが強い場合、お子さんが食べたり飲んだりすることを嫌がることがあります。急性期に口に入るものは、ぬるめのお茶やプリンなど「喉ごし」が良いものを選択しましょう。
治療を始めてから3~4日以上経過しても症状が治まらない場合や、食事や水分が全く摂れない、全身状態が悪い場合は医療機関を必ず受診しましょう。
いつから登園/登校が可能ですか?
アデノウイルス感染症は感染力が強いため、出席停止期間の基準が定められています。
咽頭結膜熱(プール熱)の場合は、発熱やのどの痛み、咳などの主な症状が消失してから2日経つまでは登校を避ける必要があります。
流行性角結膜炎の場合は、感染のおそれがないと認められるまで出席停止となります。

