今回は、アレルギーじゃない方のPFAS(ピーファス)に関連した話題にしたいと思います。
ここでのPFASは約1万種類のものからなる危険な人工化学物質の集まりのことを指します。PFASは、水や油をはじく性質や、熱や化学薬品に強い性質(耐熱性・耐薬品性)を持つため、撥水・撥油剤、泡消火薬剤、金属メッキ処理剤、半導体製造、フッ素樹脂加工助剤などに使われています。
PFASは環境中では分解されにくく、体内に蓄積されやすいために、「永遠の化学物質(Forever Chemicals)」とも呼ばれています。危険な物として世界的に規制されつつあるのは皆さんもご存じの通りです。
PFAS-contaminated drinking water harms infants | PNAS
2010年から2019年までのニューハンプシャー州における出生データを用いています。
その結果、PFAS汚染地を流れていた水を飲んだ母親は、PFAS汚染地上流の水を飲んだ母親と比較して、生後1年目の乳児死亡率が1.9倍も高く(出生10万件あたり611人増加)、妊娠28週未満の早産が1.7倍多く(出生10万件あたり466人増加)、また、体重が1キロ未満の出生が1.8倍増加していました(出生10万件あたり607件の追加出生)。
日本でも一部の地区でPFAS濃度が上がっていることが報告されています。
欧州や米国ではPFAS対策が先行している一方、残念ながら日本ではその認識が十分とは言えません。
生活から完全にプラスチックを排除することは困難ですが、プラスチックが人体に影響しうるという知識を共有し、できるところから減らす意識を持つことは意味があると思います。
子どもたちの将来を守るために、PFAS汚染に対するしっかりとした・迅速な対応が必要だと思います。 (小児科 土谷)


