現在では、胎盤の存在が母親による胎児への攻撃を抑えているのであろうと考えられていますが、どのようして母親は子どもを免疫学的に拒絶しないのか?という疑問を紐解く論文を紹介します。
どうやら腸管細菌の産物が関与しているみたいです。
Gut microbiota promotes immune tolerance at the maternal-fetal interface: Cell
結論だけ抜粋すると、
①健康な腸内細菌から作られるトリプトファン由来のインドールが腸管内で骨髄系細胞に働いて、ナイーブT細胞からTregが分化しやすくなる
②インドール、骨髄系細胞とTregの3者が共同して母体のT細胞に働いて、胎児への攻撃を未然に防ぐ 、これにより妊娠が無事に成立し、継続される
と推察されています。
逆に、母親の腸内細菌叢が乱れていると(ディスバイオーシス状態にあると)、
②トリプトファン由来のインドールが十分に作られない
③その結果、胎児を攻撃をしようとする母体T細胞の働きを抑えることが出来ない
④胎児が免疫学的に拒絶されて、妊娠が不成立となる
動物実験(マウス)で得られた知見なので、そのままヒトに適用可能かはまだわかりませんが、免疫寛容に腸内細菌叢が絡んでいるとは興味深いです。
今回の仮定がその通りだとすると、腸管細菌があるから哺乳類は妊娠出産が出来るわけで。
腸活の大切さを改めて、認識させて頂きましたw (小児科 土谷)


