Lancet Obstetrics, Gynaecology & Women’s Healthに「アセトアミノフェンでは、妊婦が通常どおり服用する限り、子どもの自閉症や神経系の発達異常は増加しない」ことを示すメタ解析結果が発表されています。

Prenatal paracetamol exposure and child neurodevelopment: a systematic review and meta-analysis – The Lancet Obstetrics, Gynaecology, & Women’s Health

 

本システマティックレビュー・メタ解析は、妊娠中のパラセタモール(アセトアミノフェン)使用と、子どもの ASD・ADHD・知的障害との間に因果的関連についてけ王したもので、解析は 複数の大規模出生コホートを統合し、総計で数十万人規模の母子データ を対象とした、現時点で最も厳密な評価。

 

研究規模:数十万人規模の母子データを統合:本論文は、「複数の大規模出生コホート研究」「総計で数十万人規模の母子ペア」を対象にしたメタ解析で、この規模は、妊娠中の薬剤曝露研究としては世界最大級であり、統計的な精度と交絡因子調整の厳密さが従来研究を大きく上回っています。

方法:厳密なレビュー設計で、本論文は、以下の特徴を持ちます:
*システマティックレビュー+メタ解析
*高品質研究のみを採用
*母体の発熱・感染、遺伝、社会経済要因などの交絡因子を徹底調整
*複数の感度分析を実施
*曝露量・曝露時期の違いも検討
*特に、パラセタモール使用の理由(発熱・感染)そのものが神経発達リスクと関連する可能性

主な結果:ASD・ADHD・知的障害との関連は確認されず

→妊娠中のパラセタモール曝露は、自閉スペクトラム症(オッズ比0.98、)、ADHD(0.95)、知的障害(0.93)のリスクと関連していませんでした。

 

数十万人規模の母子データを統合した Lancet の最新メタ解析は、妊娠中のパラセタモール使用が ASD・ADHD・知的障害のリスクを上昇させないことが明確に示されました。

 

過去の懸念は、交絡因子の調整不足による“見かけ上の関連”だった可能性が高いと思われます。

適切な用量での使用は安全であり、少なくとも妊婦のアセトアミノフェン(タイレノール、パラセタモール)使用に関しては、子どもの自閉症や神経系の発達異常は増加しないと結論しても良いでしょう。 (小児科 土谷)