妊婦のRSVワクチンの接種率とその決定要因について調べた論文( Journal of infection and chemotherapy : official journal of the Japan Society of Chemotherapy. 2026 Jan;32(1);102892. doi: 10.1016/j.jiac.2025.102892.)を紹介します。

Coverage and determinants of maternal RSV vaccination in Japan: A nationwide survey – Journal of Infection and Chemotherapy

 

2024年7月~2025年8月に出産した女性を対象に全国調査を実施しました。質問票では、妊婦のRSVワクチンの接種状況、費用の負担感、ワクチン接種への躊躇に関する5Cモデルを含む関連意識、および人口統計学的特性を評価しました。接種率を推定し、多変量修正ポアソン回帰分析を用いて接種に関連する要因を分析しました。

 

その結果、回答者1,279人のうち11.6%が妊婦用RSVワクチンの接種を受けていました。

 

世帯年収や教育歴が高いほどワクチン接種率が高い傾向が認められ、関東圏外の地域および経産婦では接種率は低く、不妊治療歴のある妊婦、妊娠中のインフルエンザまたはジフテリア・百日咳・破傷風ワクチン接種歴のある妊婦では高かったことが分かりました。


5C領域では、「自信」と「集団的責任感」が高い接種率と関連し、「計算」は低い接種率と関連していました。接種者の87.2%が費用を「高い」と評価し、未接種者が接種しなかった理由は「予防効果を知らなかった」(28.9%)と「ワクチンの存在を知らなかった」(27.3%)であり、77.5%が「無料であれば接種をする」と回答していました。

 

以上から、日本で調査期間中にRSVワクチン接種を受けていた妊婦は約11%に過ぎないことが分かりました。

 

任意接種で高額な自己負担費用がかかるため、接種率は低いんだろうな~と思っていましたが、予想以上に低いな~と思いました。

認知度の低さと高額な自己負担費用が「壁」なので、医療行政には頑張って欲しいものです。 (小児科 土谷)