久しぶりにPFAS(ペルフルオロアルキル化合物やポリフルオロアルキル化合物)に関連した話題です( Journal of the American Heart Association. 2025 Jun 17;14(12);e039949. pii: e039949.)。

Prenatal Per‐ and Polyfluoroalkyl Substance Exposures and Longitudinal Blood Pressure Measurements in Children Aged 3 to 18 Years: Findings From a Racially and Ethnically Diverse US Birth Cohort | Journal of the American Heart Association

 

1,094人の子どもを中央値12年(四分位範囲9~15年)追跡し、1万3,404件のデータを解析しました。出産後24~72時間に母親から採取した血液中のPFAS濃度を測定し、その値と、子どもの医療記録から把握された血圧との関連を検討しました。

3歳以上13歳未満では血圧が同年齢の子どもの90パーセンタイル以上、13歳以上18歳未満では120/80mmHg以上の場合に「血圧高値」と定義しました。

 

その結果、母親のPFAS濃度が高いほど子どもの収縮期血圧が高いことが分かりました。また、この関連性は、子どもの性別や発達段階などにより異なっていました(例えば男子では、母親の血液中のペルフルオロヘプタンスルホン酸の濃度が2倍になるごとに、6~12歳で血圧高値のリスクが9%、13~18歳では17%高かった)。

 

以上から、胎児期のPFAS曝露による健康への影響が、思春期以降に現れる可能性があることが示唆されました(観察研究なので、PFASと子どもの血圧上昇との直接的な因果関係について述べることはできず、あくまで関連性を示すのみ)。

 

残念ながら、PFASは既に環境中に豊富に存在しています。いくら母親が努力しても完全に曝露を避けることは難しいと思います。

妊娠中や小児期のPFAS曝露を減らすために、国や自治体レベルで根本的な解決のための規制に取り組んで欲しいと思います。 (小児科 土谷)