高齢出産は遺伝的およびエピジェネティックな変化と関連していることが知られていますが、小児アレルギーリスクとの関連はどうなんでしょう?( JAMA network open. 2026 Jan 02;9(1);e2554694. pii: e2554694.)
Parental Age and Childhood Allergy Risk – PMC
全国における集団ベースの多施設共同前向き出生コホート研究で、「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」のデータを用いました。
2011年1月~2014年3月に日本国内の15センターで参加者を登録し、1歳、2歳、4歳時に追跡調査データを収集しました。本解析は親の年齢とアレルギーに関するデータを有する単胎出生児を対象とし、2024年7月8日~2025年2月4日に実施しました。ハウスダスト感作はサブコホートで評価しました。主要評価項目は、1歳、2歳、4歳における医師診断による食物アレルギー、喘鳴、喘息、湿疹、副次評価項目は、2歳および4歳におけるハウスダスト感作でした。調整オッズ比(OR)は欠損値の多重代入後、多変量ロジスティック回帰を用いて算出しました。
その結果、3万4,942組の母子が対象となり、登録時の母親の平均年齢は31.0歳(標準偏差:4.7)、1万7,892人の母親(51.2%)にアレルギー歴がありました。
1歳時の食物アレルギー有病率は6.6%(95%信頼区間[CI]:6.4~6.9)で、母親の年齢とともに減少しました。
出産時の母親の年齢が25~29歳の子供と比較して、35~39歳で出産した子供(OR:0.79、95%CI:0.70~0.90)および40歳以上で出産した子供(OR:0.59、95%CI:0.44~0.79)のほうが食物アレルギーのオッズが低かったことが分かりました。
両親共に35歳以上で生まれた子供は、4歳時に喘鳴を呈するオッズが低かった(OR:0.89、95%CI:0.82~0.95)ことが分かりました。ハウスダスト感作について、2歳児1,991人と4歳児1,840人を評価した結果、出産時の母親の年齢が高いほどオッズが低かった(30~34歳で出産した子供のOR:0.76、95%CI:0.59~0.98、35~39歳で出産した子供のOR:0.68、95%CI:0.50~0.91)ことが分かりました。
以上から、出産時の年齢が高い母親の子供は、幼児期の食物アレルギー、喘鳴、ハウスダスト感作のオッズが低く、高齢出産が幼児期のアレルギー疾患を防御する可能性があることが示唆されました。
どんな機序でこうなるのか?その解明が待たれますが、面白い結果ですね。 (小児科 土谷)

