引き続いて、COVID-19でみられる味覚・臭覚障害に関する論文（medRxiv. Aug 31, 2021.（doi.org/10.1101/2021.08.28.21262763））を紹介します。

COVID-19感染後11か月までの嗅覚障害とその回復について検討したもので、対象はCOVID-19と診断され、発症当初より嗅覚・味覚障害を呈した1468名の中央値：約200日の追跡調査です。

その結果、女性の60％、男性の48％が病前の嗅覚の80％以下になったと報告し、味覚回復は嗅覚よりも早く、味覚障害が持続することは殆どなかったことが分かりました。

一方、嗅覚錯誤（parosmia）と幻嗅（phantosmia）の有病率は2020年4月～9月ではともに約10％でしたが、2020年9月～2021年2月では大幅に増加し嗅覚錯誤は47％，幻嗅は25％になりました（嗅覚錯誤は嗅覚低下が回復しない患者でより多い：嗅覚錯誤や幻嗅は時間経過で増加する）。

COVID-19でみられる味覚・臭覚障害。美味しい物を食べるのが好きな自分としては、出て欲しくない症状のひとつですｗ　（小児科　土谷）