院長先生のブログ
COVID-19 味覚・臭覚障害④
臭覚・味覚障害の経時的変化を追った論文(JAMA Otolaryngol Head Neck Surg. Published online August 4, 2022. doi:10.1001/jamaoto.2022.1983)を紹介します。
COVID-19の発症時、4週間後、8週間後、6ヵ月後の軽症患者における嗅覚・味覚障害の有病率を以前報告したイタリアの研究チームが、同じ患者群168名(年齢中央値55歳,女性53.6%)における2年間の有病率と回復率を報告しています。
その結果、ベースライン、4週間、8週間、6ヶ月、2年目における自己申告による嗅覚・味覚障害の頻度は、64.3%,38.1%,17.3%、16.1%、8.3%でした。
PCR陽性後4週間以内に出現し、COVID-19に関連した嗅覚・味覚障害を呈した119人のうち2年後に完全に消失したのは88.2%、軽減したのは9.2%、症状の変化なしまたは悪化が2.5%で、回復に6カ月以上かかる頻度は10.9%でした。
COVID-19で認められる嗅覚・味覚障害の88.2%は2年以内に完全に回復する模様です。全員が完全回復する訳ではないことを考えると、罹患しないに越したことはないですね。。(小児科 土谷)