院長先生のブログ
赤ちゃんの睡眠

今日は赤ちゃんの睡眠についてです。
睡眠がREM睡眠とnon-REM睡眠に分けられることはご存じの方も多いと思います。
在胎29週頃にはREM睡眠のパターンが完成して終生継続し、non-REM睡眠は在胎32-35週頃に完成すると言われています。正期産の新生児ではREM睡眠が全睡眠の約50%を、早産児では約80%を占め、成長とともに減っていくことが知られています。3歳までにREM睡眠は全睡眠の30%、成人までに20%となります。
生後数ヶ月経過すると、non-REM睡眠は脳波の形状や睡眠深度の異なる4つのステージに分かれるようになり、REM睡眠とあわせて睡眠サイクルが形成されるようになります。乳児の睡眠サイクルは50-60分/サイクルと成人の約半分くらいの長さです。成長に伴い、REM睡眠前にnon-REM睡眠を経るようになり、REM睡眠が短くなり、1回の睡眠時間が長くなっていきます。
睡眠発達のマイルストーンとして、①睡眠の凝縮(=一定時間睡眠を継続できる能力)②睡眠の調節(=覚醒をコントロールできる能力)が挙げられます。①は生後2-3ヶ月頃に発達し、生後4ヶ月頃には約50%の赤ちゃんが夜通し眠れるようになります。②を身につけると、夜間に目覚めても自分の力で再度眠れるようになります(大体生後4-6ヶ月頃には身につくようです)。
生後3ヶ月頃に、これらの能力があるかどうかが、その後の「夜泣き」の頻度や程度に影響すると言われています。赤ちゃんの夜泣きひとつとっても、その背景に色々なことが隠されています。赤ちゃんの見せる「何気ないこと」は実に奥深いw (小児科 土谷)