食物アレルギーで受診される患者さんが多くおられますが、「重症アナフィラキシーを起こしやすい食品は何だろう?」という疑問を調べたところ、見つけた論文( Clinical and experimental allergy : journal of the British Society for Allergy and Clinical Immunology. 2025 Jul;55(7);532-540. doi: 10.1111/cea.70089.)です。

Risk Factors for Fatal and Near‐Fatal Food Anaphylaxis: Analysis of the Allergy‐Vigilance Network Database – Pouessel – 2025 – Clinical & Experimental Allergy – Wiley Online Library

 

「フランス語圏アレルギー警戒ネットワーク(Allergy-Vigilance Network)」で2002~21年に記録された食物アナフィラキシー症例を後ろ向きに解析し、Ring-Messmer分類による致命的な症例(Grade4)と重篤な症例(Grade3)と比較し、重症度が高いことに関連するリスク要因を特定しました。

 

その主な結果を示します。報告された2,621件の食物アナフィラキシー症例のうち、重症と判断された731件(Grade3:687件[94%]、Grade4:44件[6%])に死亡19件を加えた750件を解析対象としました(全体の56.1%が成人(平均年齢28.3歳)、53.7%が男性でした)。


重症例全体で頻度の高い誘因は、ピーナッツ(13.9%)、小麦(9.4%)、カシューナッツ(5.8%)、エビ(5.4%)、牛乳(4.8%)で、Grade4のアナフィラキシー症例は、成人よりも小児(18歳未満)に多く発生していた(18例対26例)ことが分かりました。


Grade4の症例はGrade3の症例と比較して、原因食物に対するアレルギー歴あり(71.1%vs.42.1%)、喘息診断あり(59.5%対30.4%)、原因食物がピーナッツ(34.1%対12.6%)である割合が高く、Grade4のアナフィラキシーを予測する因子は、喘息診断あり(オッズ比[OR]:3.41、95%信頼区間[CI]:1.56~7.44)、原因食物がピーナッツ(OR:3.46、95%CI:1.28~9.34)でした。

 

以上から、喘息の病歴がある場合やピーナッツが誘因となった場合、アナフィラキシーの重症度が高くなると予測されることが分かりました。

 

個々の患者さんを診療・管理する上で必要な情報だと思います。皆さんも覚えておいて損はないハズw (小児科 土谷)