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見附市小児科 2023年春開院 みつけこどもクリニック | 小児科一般診療・予防接種・乳児健診 見附市

COVID-19 急性期合併症㉕

新型コロナワクチンがCOVID-19における集中治療室入室の必要性を減少させることは分かっていますが、その転帰に対するワクチンの効果について調べた論文(Critical Care Medicine 51(9):p 1201-1209, September 2023. )を紹介します。

Association Between Vaccination Status and Outcomes in Patie… : Critical Care Medicine (lww.com)

研究デザインは後ろ向きコホート研究で、2021年1月~2022年7月の間に、カナダ・アルバータ州のICUに入院した、PCR検査でCOVID-19と診断された患者が対象です。

 

その結果、3,293人の患者がエントリーしました:743例(22.6%)が完全ワクチン接種(54.6%がブースター接種)、166例(5.0%)が部分ワクチン接種、2,384例(72.4%)が未接種でした。

 

ワクチン未接種の患者では、挿管人工呼吸管理(78.4% vs 68.2%)、血管作動薬の使用(71.1% vs 66.6%)、ECMO(2.1% vs 0.5%)を必要とするリスクが高いことが分かりました。また、院内死亡率は同等でしたが、挿管人工呼吸管理期間の中央値(7.6 vs 4.7日;p<0.001)およびICU在室日数(6.6日 vs 5.2日;p<0.001)は、完全ワクチン接種患者と比較してワクチン未接種患者で長いことが分かりました。ワクチン接種者では、1回以上のブースター接種により院内死亡率(25.5% vs 40.9%;調整OR、0.50;95%CI、0.0.36-0.68)と挿管人工呼吸管理期間(3.8 vs 5.6日;p = 0.025)が低下していました。

 

以上から、ワクチン接種はCOVID-19重症例(集中治療室入室例)の転帰に有利に働くことが分かりました。高齢者や基礎疾患を有するハイリスク患者はきちんと予防接種しておいた方が良いみたいですねw (小児科 土谷)

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