院長先生のブログ
日常生活の「楽しみ」と認知症
日常生活における楽しみと認知症の発症リスクとの関連について調べた論文です(J Gerontol B Psychol Sci Soc Sci. 2023 Sep 18:gbad129. )。
本邦での45〜74歳、38,660例を5年間追跡調査した研究です。
追跡期間 中央値9.4年の間に、4,642例の認知症が発症していました。
認知症発症リスクは、日常生活における楽しみが低い場合と比較して、生活の楽しみが中程度では0.75[0.67-0.84](p<0.001)、高い場合では0.68[0.59-0.78](p<0.001)でした(要するに、楽しみが中程度では発症リスクが25%減少し、高い場合は発症リスクが32%減少した)。
さらに、日常生活の楽しみが認知症リスクを減少させる効果は、精神的ストレスが低・中のサブグループで最も強かったことが分かりました(精神的ストレスが高い群では認められなかった)。
日常生活を楽しく暮らすということは、認知症発症のリスクを下げるみたいです。
折角暮らすなら、誰もが楽しく過ごしたいですよねw
皆様、今日も一日よろしくお願いいたします! (小児科 土谷)