院長先生のブログ
児童虐待・相談件数が多い都道府県は?
児童虐待相談件数について検討した日本からの論文(JAMA Netw Open. 2023 Mar 1;6(3):e231878. )を紹介します。
2019~2021年の月別児童虐待相談件数を入手し、47都道府県の児童虐待相談率を推定しました(2019年をパンデミック前、2020~21年をパンデミック期間)。身体的虐待だけでなく、ネグレクトや心理的虐待も児童虐待に含めています。
その結果、日本では年間平均18万2,549件の児童虐待相談が記録されていました。
相談率の中央値が最も高かった都道府県は大阪(パンデミック期:人口10万人当たり134.85件[四分位範囲[IQR]:132.06~154.53]、パンデミック前:人口10万人当たり144.89件[136.60~159.46])で、最も低かったのは鳥取県(パンデミック期:人口10万人当たり8.97件[IQR:7.57~13.73]、パンデミック前:人口10万人あたり7.29件[4.48~11.77])でした。
また、パンデミック期間中の児童虐待相談率が減少していたことも分かりました。コロナ禍で相談の閾値が高くなってしまったことが影響しているものと考えられます。
昨年11月の市報でも述べたように、児童虐待は決して他人事ではありません。
疑わしいお子さんを発見したら、いち早く(189)、児童相談所 虐待対応ダイヤルに連絡願います!