院長先生のブログ
SNS依存が学業成績に及ぼす影響
若者のソーシャルメディア(SNS)依存が大学生の学業成績にどのような影響を与えるのかについて調べた論文(PloS one. 2023;18(2);e0280306.)を紹介します。
2021年12月1日~30日の期間に、システマティックランダムサンプリングを用いて募集した大学生422人を対象に、横断的研究を実施しました。Facebookに対する依存度はBergen Facebook Addiction Scale(BFAS)、自尊心はRosenberg自尊感情尺度(RSES)、不安抑うつ症状は病院不安抑うつ尺度(HADS)、学習習慣はStudy Habit Questionnaire(SHQ)を用いて評価しました。
その結果、対象者の平均年齢は23.62±1.79歳、男性の割合は51.6%でした。
対象者の大半にFacebook依存が認められ、Facebook依存と学業成績の低下および不安、抑うつ症状などとの正の相関が認められました。
以上から、Facebookに対する依存状態と大学生の学業成績低下には正の相関があることが分かりました。加えて若者のFacebook依存度は精神的ウェルビーイングや自尊心の低下などとも関連していることが分かりました。
ソーシャルメディアは僕も使っていますし、かなり社会に浸透しているコンテンツの一つです。
しかし、近年はSNSの良い面だけでなく、依存症などの悪い面も知られるようになってきました。
流石に野放し状態はいけないと思うので、子どもたちの安全な使用につながる「指針」を作成し、国や教育機関がきちんと示すことが大切だと思います。 (小児科 土谷)