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見附市小児科 2023年春開院 みつけこどもクリニック | 小児科一般診療・予防接種・乳児健診 見附市

テレワークでの育児ストレスは?

新型コロナウイルス感染症の影響で定着した在宅勤務(テレワーク)。

子どもを持つ親がテレワークをした場合、テレワークは育児ストレスにどのような影響を与えるのでしょうか?(JAMA network open. 2023 Nov 01;6(11);e2341844. pii: e2341844.)

Teleworking, Parenting Stress, and the Health of Mothers and Fathers | Health Policy | JAMA Network Open | JAMA Network

 

この横断研究の調査データは、COVID-19パンデミック中の2022年5~7月にイリノイ州シカゴの全77地区でパネル調査を行い収集しました(参加資格は、18歳以上で1人以上の子供を持つ親であること)。

 

その結果、1,060例の回答者のうち、825例がその時点で雇用されており、599例が女性、548例がテレワークを実施していました。テレワークをしている親を人種で見ると、白人(244例)が黒人(99例)またはヒスパニック系(145例)よりも多かったことが分かりました。


テレワークをしている親は、現場で働く親と比較して、育児ストレスのオッズが増加していました(調整オッズ比[aOR]:1.88、95%信頼区間[CI]:1.20~2.93)が、健康状態(aOR:1.23、95%CI:0.78~1.93)や精神的健康の改善(aOR:1.14、95%CI:0.64~2.04)には差がありませんでした。
テレワークをする父親は、現場で働く父親よりも育児ストレスが高いと報告していました(aOR:2.33、95%CI:1.03~5.35)が、母親では関連は認められませんでした(aOR:1.53、95%CI:0.93~2.49)。

COVID-19パンデミック時にテレワークを行った場合、現場で働いた親と比較して育児ストレスが高く、とくに父親にその傾向が顕著であることが分かりました。

 

個人的に、テレワーク自体は今後も続けていって欲しい取り組みの1つだと思っています。

その一方、闇雲に推進するのではなく、テレワークを行う親を支援する戦略(勤務スケジュールの自律性促進や従業員支援プログラムなど)も重要で、テレワークが今後社会に定着するためには、解決すべき課題だと感じました。 (小児科 土谷)

 

 

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