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見附市小児科 2023年春開院 みつけこどもクリニック | 小児科一般診療・予防接種・乳児健診 見附市

long COVIDの病態 -その他⑲-

広島大学から、2020年3月~2022年7月までの日本におけるlong COVIDの有病率に関する報告(Sci Rep. 2024 Feb 16;14(1):3884.(doi.org/10.1038/s41598-024-54397-y))がされています。

Natural course of post-COVID symptoms in adults and children | Scientific Reports (nature.com)

 

2020年3月から2022年7月までに広島の医療機関でCOVID-19と診断された全患者6551人を対象とし、2022年11月にCOVID後の症状とその期間に関する質問紙調査を実施しました。合計2421人(成人1391人,小児1030人;入院36.7% , 年齢中央値34歳, 男性51.2%)から回答を得ました。COVID後症状の有病率と期間をKaplan-Meier法を用いて図示しするとともに、症状が3ヵ月以上持続し、日常生活に支障をきたす危険因子を多変量ロジスティック回帰で評価しました。

 

その結果、感染から調査までの期間は295日でした。

初回の回復時、罹患後症状の有病率は成人で78.4%、小児で34.6%でした。

3ヵ月後にはそれぞれ47.6%、10.8%で、1年以上に経つと31.0%,6.8%になりました。

日常生活に支障をきたす症状は304人(12.6%)が3ヵ月以上持続していました。独立した危険因子として、年齢,女性、糖尿病、デルタ株期間中の感染、喫煙が挙げられました。

ワクチン接種歴と罹患後症状との間に有意な関連は認められませんでした。

日本におけるlong COVIDの有病率に関する報告でした。1年経過しても小児患者の6.8%には罹患後の症状が認められる模様です。

日本国内のまとまったデータは少ないので、こういう報告は助かりますねw (小児科 土谷)

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