院長先生のブログ
二番目の悪者

ネットで話題になっていた本なので、ご覧になった方も多いと思います。
「二番目の悪者」 作・林木林 絵・庄野ナオコ
現代社会のSNSで拡散された嘘に流される日本人を皮肉った恐ろしい結末の本だったりします。
動物の国の「国民で王様を決める」という設定から始まるストーリーです。
主人公のライオンは、金色のたてがみを誇り「私こそが、王になる資格を持っている」と思い込んでいるナルシストな勘違いライオンです。
しかし、世間では銀のたてがみを持つ心優しいライオンが「次の王様にぴったり」と言われています。
そこで、銀のたてがみのライオンの存在を疎ましく思った主人公が起こした行動とは?!
ちなみに、このお話は勧善懲悪なお話ではありません。
悪者は悪者としてのさばり、悪者に支配される世の中を作ってしまった愚かな国民は悲劇的な結末を迎えてしまいます。
誰かにとって都合のよい嘘が世界を変えてしまうことさえある。だからこそ、なんどでも確かめよう
ラストを締めくくるこの言葉がこのお話の伝えたかったことだと思います。
他人の意見に流されやすい現代人にとっての永遠のテーマです。
子どもから大人まで、現代を生きるたくさんの人に読んでほしい一冊だと思いました。
「人づてに聞いた事は簡単に信じず自分で確かめなければならない」
胸に留めておきましょう。 (小児科 土谷)