院長先生のブログ
8歳までに喘息を発症した子どもの半数以上が28歳時点でも喘息

8歳から28歳まで続く喘息の持続性とその関連因子を推定することを目標としたコホート研究を紹介します(Respir Med. 2024 Apr:224:107581.)。
1996年にコホートを募集し(8歳、n=3430)、喘息とリスク因子に関する質問票を用いて19歳まで毎年追跡しました。臨床検査では、皮膚プリックテスト(8歳、12歳、19歳)および肺機能検査(17歳、19歳)を行い、そのうちの一部で気管支過敏性試験を行いました。8歳時点で248人の喘息患者が同定され、そのうち170人(69%)が28歳時点の追跡調査に参加しました。
その結果、28歳時点の参加者170人のうち、105人(61.8%)が持続性喘息を有していた(女性:49/76、64.5%、男性:56/94、59.6%、p = 0.513)ことが分かりました。
性別、喘息の家族歴、授乳期間3か月未満、湿疹の因子で調整した後、アレルギー感作(オッズ比7.8、95%信頼区間3.0-20.2)、重症呼吸器感染症(オッズ比2.6、95%信頼区間1.1-6.3)、高い喘息重症度スコア(オッズ比1.6、95%信頼区間1.1-2.4)は、28歳時の喘息と関連していました。アレルギー性感作を鼻結膜炎に置き換えると、オッズ比3.4(95%信頼区間1.5-8.0)となりました。17歳時の気道過敏性は28歳時の喘息と関連していました(オッズ比9.0、95%信頼区間1.7-47.0)。
61.8%とは驚異的な数字です!
小児科→内科(呼吸器内科)へのバトンタッチ・病診連携はきちんとしなければなりませんね! (小児科 土谷)