感謝の気持ちを持つことは、精神的苦痛を減らす一方で、感情的・社会的ウェルビーイングを向上させる可能性があることがこれまでの研究で示唆されています。では、感謝の気持ちと身体的健康との関連についてはどうでしょうか?(JAMA psychiatry. 2024 Jul 03; pii: e241687.)
Gratitude and Mortality Among Older US Female Nurses – PMC (nih.gov)

Nurses’ Health Study(NHS)参加女性4万9,275人(ベースライン時の平均年齢79歳)を対象に、感謝の気持ちと全死亡および原因別死亡との関連が検討されました。対象女性は2016年に、感謝の気持ちを評価する質問票に回答しており、この質問票は「私の人生には、ありがたいと思うものがとても多い」や「感謝の気持ちを感じるものをリストアップすると大変長くなる」などの6項目の質問に、1(全く同意しない)から7(強く同意する)で回答する内容でした。対象者の死亡(全死亡、原因別死亡)については2019年12月まで追跡調査されました。
その結果、平均3.07年にわたる追跡期間中に4,608人の死亡が確認され、最も多かった死因は心血管疾患(1,364人)で、そのほかの死因は、呼吸器疾患、がん、神経変性疾患などでした。
質問票の回答を総計したスコアに応じて対象者を高・中・低の3群に分け、ベースライン時の社会人口学的特性や社会・宗教的参加、メンタルヘルスなどを調整して解析した結果、高スコア群では低スコア群に比べて全死亡リスクが9%低いことが明らかになりました(ハザード比0.91、95%信頼区間0.84〜0.99)。

また、死因別に解析したところ、心血管疾患による死亡と感謝の気持ちは逆相関の関係にあり、高スコア群では低スコア群に比べて同死亡リスクが15%有意に低い(同0.85、0.73〜0.995)ことが分かりました。そのほかの死因(がん、呼吸器疾患、神経変性疾患、感染症、外傷、その他)でもリスク低下は認められましたが、統計学的に有意ではありませんでした。

以上から、感謝の気持ちを測定する質問票で得点が高かった女性では、低かった女性に比べてあらゆる原因による死亡(全死亡)のリスクが9%低いことが明らかになりました。
感謝の気持ちを抱くものに心を傾けることで、健康を改善できる可能性があるみたいです。
「ありがとう」「ありがとうございます」
口に出しても、人から言われても、気持ち良くなる言葉のひとつです。
健康にも良いなんて、まるで「魔法の言葉」ですねw (小児科 土谷)


