生後18カ月(1歳半)までにケガを負ったことのある子どもは、7歳に至るまでに再度、ケガを負いやすいみたいです(Scientific reports. 2024 Oct 21;14(1);24716. pii: 24716.)。
厚生労働省が行っている「21世紀出生児縦断調査」のデータを用いた縦断的解析により、1歳半までの受傷歴がその後の受傷リスクと関連しているか検討しました。
2010年5月10~24日に出生した4万3,767人の子どものうち2万191人の家庭が、7歳に至るまで定期的に行われた縦断調査に回答していました。このうち80.4%に相当する1万6,239人が、1歳半までに家庭内を中心に何らかのケガを負っており、1歳半から7歳までの追跡期間中に、35.6%に当たる7,179人が何らかのケガによる受療行動を取っていました。
追跡期間中のケガの有無で背景因子を比較すると、ケガあり群は男児が多く(57.9対49.7%)、単胎出産がわずかに多く(98.5対98.1%)、1歳半時点において保育園への通園がわずかに少ない(26.2対27.7%)という有意差が認められました(母親の出産時年齢・教育歴、在胎期間(正期産/早産)、両親の喫煙状況、居住地などは有意差なし)。
1歳半までに何らかのケガを負っていた1万6,239人のケガの再発リスクを検討すると、その37.4%に当たる6,067人に、追跡期間中のケガによる受療行動が認められました。ロジスティック回帰分析で交絡因子(子どもの性別、単胎/多胎、保育園への通園、在胎期間、母親の教育歴、両親の喫煙状況、居住地など)を調整後、1歳半までの受傷歴は、追跡期間中のケガの発生と独立した関連のあることが明らかになりました(調整オッズ比〔aOR〕1.48〔95%信頼区間1.37~1.60〕)。
1歳半までのケガのタイプ別に追跡期間中のケガのリスクを見ると、やけど(aOR1.47〔同1.31~1.65〕)、誤飲(aOR1.35〔1.17~1.55〕)、転倒(aOR1.34〔1.26~1.43〕)、溺水(aOR1.29〔1.19~1.40〕)、挟まれ(aOR1.22〔1.15~1.29〕)については有意なオッズ比上昇が観察された一方、切り傷、噛み傷、窒息、および交通事故については、1歳半までの受傷歴がない群と有意差が認められませんでした。
続いて、5歳半時点での問題行動(話を聞く、がまんする、約束を守る、などができない)の有無で群分けした解析を実施。問題行動のない群(80.1%)では1歳半までの受傷歴がある場合、追跡期間中のケガの発生aORが1.44(1.31~1.57)であり、問題行動がある群(19.9%)でも1.72(1.42~2.08)で、ともに有意に多く発生していたことが分かりました。
以上から、1歳半までにケガを経験した子どもは7歳に至るまでにケガを繰り返すリスクが高いことが示されました。
小さな子どものケガ再発を予防するためには、1歳半健診で安全対策の指導をきちんと行う必要があるみたいです。限られた時間の中でどこまで啓発することが出来るかが課題になると思いますが、小さな事からコツコツと行っていくしかありませんねw (小児科 土谷)


