東京女子医大と東京都医学総合研の研究グループによって、新型コロナウイルス感染後に起きた急性脳症について、新しい研究報告がなされています。
調査方法は日本小児神経学会会員を対象としたWebアンケートを用い、2022年6月から11月までのBA.5系統流行期にSARS-CoV-2関連脳症を発症した18歳未満の患者を対象に、年齢・性別・臨床症状について調査しました。既存の調査結果(2022年1月から5月、BA.1/BA.2系統流行期)も合わせて、SARS-CoV-2関連脳症の臨床症状を比較し特徴をまとめました。
結果の概要だけ示します。
調査対象は、2022年11月30日までの小児(18歳未満)のSARS-CoV-2関連脳症患者さん103人で、急性脳症症候群のタイプとしてはけいれん重積型(二相性)急性脳症(AESD)が最も多く、全体の26.2%を占めていました。また、極めて重篤な劇症脳浮腫型脳症(AFCE)と出血性ショック脳症症候群(HSES)が13.6%を占め、過去のウイルス関連脳症に比べて高頻度でした。25%以上の患者が重篤な神経学的後遺症または死亡という転帰でした。

そして、新型コロナ関連脳症患者103名中、95人が新型コロナワクチン未接種(特に、もっとも重篤なタイプの脳炎患者は全員ワクチン未接種だった)であったことが分かりました。
以上から、日本の子どもにおいても、新型コロナ感染後に脳症を起こすケースは約2年間で100人を超えており、他のウイルス感染の場合よりも頻度が高く、予後が不良で、死亡率もより高いことが明らかになりました。
脳症に対するワクチン接種の予防効果は現時点でまだ不明ですが、脳症になったほぼ全員がワクチン未接種であったということを考えると、小児でも予防接種しておいた方が無難かも?っと思います。 (小児科 土谷)


