当院でも実施している高齢者向けのRSウイルスワクチンに関する話題です( JAMA. 2025 Aug 30; pii: e2515896.)。
2023年10月1日~2024年3月31日、または2024年10月1日~2025年4月30日のRSウイルス流行期に急性呼吸器疾患により米国20州の26病院に入院した60歳以上の人6,958人(年齢中央値72歳、女性50.8%)を対象に、RSウイルス関連の入院に対するワクチンの有効性を検討しました。対象者のうち、821人(11.8%)はRSウイルス感染症症例(症例群)、6,137人が対照群でした。また、1,829人(26.3%)は免疫抑制状態でした。
その結果、RSウイルスワクチンを接種していたのは、症例群で63人(7.7%)、対照群で966人(15.7%)でした。
2シーズンを合わせたワクチンの有効性は58%と推定されました。また、RSウイルス感染症の発症と同じシーズンに接種した場合のワクチンの有効性は69%、前シーズンに接種した場合の有効性は48%でしたが、この差は統計学的に有意ではありませんでした(P=0.06)。さらに、2シーズンを合わせたワクチンの有効性は、免疫抑制状態にない群で67%であったのに対し、免疫抑制状態にある群では30%と有意に低かったことが分かりました。同様に、非心血管疾患患者でのワクチン有効性は80%であったのに対し、心血管疾患を有する群では56%と有意に低かったことが分かりました。
以上から、高齢者のRSウイルスワクチンの1回接種によって、2シーズン連続でRSウイルス関連の入院を予防できる可能性があることが分かりました。
(ワクチンの単回接種後の効果持続期間や再接種の必要性については今後も検討を重ねる必要はありそうです)
RSウイルス感染症は秋から冬にかけて60歳以上の高齢者にも深刻な影響を及ぼし、米国では毎年15万人が入院、8,000人が死亡しているとされています。
日本でも高齢者向けRSウイルスワクチンを接種することは出来るので、該当する人は是非接種を検討してみてください! (小児科 土谷)

