青年期における厳しい子育ては、抑うつ症状のリスクを高める可能性があることが知られています。今回は青年期の厳しい子育てとその後の抑うつ症状の関係を調査した研究を紹介します( Sleep health. 2025 Sep 17; pii: S2352-7218(25)00161-5.)。
9年間にわたる5wave(子供の年齢が16、17、18、23、25歳)研究を実施しました。
16歳で研究に参加した家族は245組(女性の割合:52%、白人/ヨーロッパ系米国人:67%、黒人/アフリカ系米国人:33%)、5waveすべてに参加した家族は132組でした。母親と父親は、16〜18歳までに子供に行った厳しい子育て(言葉による虐待および身体的な虐待)の頻度について報告しました。16〜18歳までの子供の睡眠時間および睡眠の質(睡眠維持効率、長時間覚醒エピソード)の測定には、アクティグラフィーを用い、抑うつ症状は、5waveのすべてで自己申告により評価しました。
その結果、自己回帰効果をコントロールした後、構造方程式モデルを用いて、青年期における父親の厳しい子育てと成人初期の抑うつ症状との関連を悪化させる因子は、青年期における睡眠時間の短縮、睡眠維持効率の低下、長時間覚醒エピソードの増加であることが明らかになりました。
【青年期における睡眠時間の短縮】β=-0.16、p<0.03
【睡眠維持効率の低下】β=-0.30、p<0.001
【長時間覚醒エピソードの増加】β=0.24、p=0.004
母親の厳しい子育ては、青年期の睡眠状況に関わらず、リスク変化に影響しませんでした。
青年期における父親の厳しい子育てと睡眠障害との相互作用は、成人初期の抑うつ症状を予測する可能性が示されました。
父親の厳しい子育てを受けた子どものメンタルヘルスを改善するためには、「睡眠を考慮する」ことが重要です。
不眠症気味の自分が言うのもなんですが、眠れない子どもたちへの睡眠サポートは思っている以上に重要なんだと思いました。 (小児科 土谷)

