世界におけるがんの原因について調べ、がんのうちどのぐらいの割合のものが修正可能な(=除去しうる)原因によるものか調べた研究を紹介します。
2022年の時点で、世界中で、年間約2千万人ががんに罹患し、毎年約1千万人ががんで死亡していました。
そのリスク因子を探したところ、がんの多くは、除去可能な後天的因子に起因していて、世界レベルでもっとも多いリスク因子は、喫煙(15.1%)、感染(10.2%)、飲酒(3.2%)の順であることがわかりました(感染の多くはウイルスによるもので、B型、C型肝炎ウイルスによる肝がん、HPVによる子宮頸がん、肛門がん、陰茎がん、EBウイルスによるバーキットリンパ腫や上咽頭がんやHTLVによる白血病など)。
この結果は地域によって大きく異なっており、日本を含む東アジア地域では、女性では、感染>喫煙>肥満>運動不足>大気汚染の順番であり、これらを全部あわせると全体の約3割程度でした(=がんの3割は防ぎうる)。また、男性では、喫煙>感染>飲酒>大気汚染>職業関連の順で、これらを全部あわせると、全体の>5割にもなっていました(=がんの5割は防ぎうる)。要するに、東アジア地域で見られるがんの3割から5割は、除去可能な後天的因子によるものであり、防ぎうるものであったという結果でした。
以上から、がんに関しては後天的な因子によるものが多く、しかもその多くは除去可能なものであることがわかります。
健康寿命を延ばすために生活習慣を見直していくことは大事ですが、同時に正しい医学知識を持つことも大事です。
ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンはがんを防ぐことが出来るワクチンです。
是非、ワクチン接種をお願いいたします。 (小児科 土谷)

