休日診療では年齢を問わず患者さんを受け付けているので、健康に関する啓発活動の一環として、ときどき成人ネタ(高齢者含む)にも触れますw
日本人高齢者を対象に、オーラルフレイルと死亡リスクの関連を調べた前向きコホート研究について紹介します( Experimental gerontology. 2024 Jun 15;191;112446. )。
京都府亀岡市に居住する65歳以上の人を対象とした「京都亀岡研究」の一環として前向きコホート研究を実施しました。解析対象は、要支援・要介護に該当する人などを除いた1万1,374人(平均年齢73.6±6.0歳、女性53.3%)で、2011年7月にベースライン調査を実施しました。
オーラルフレイルは、「半年前と比べて硬いものが食べにくくなったか」などの項目を含む質問票「Oral Frailty Index-8(OFI-8)」を用いて評価し、4段階に分類しました。また、色変わり咀嚼ガムを用いたOFI-8の妥当性評価を2012年3月と4月に行い(対象1,240人)、2016年11月までの生存状況を追跡しました。
OFI-8の妥当性に関して、OFI-8によるオーラルフレイルを特定するためのカットオフスコアは4点以上でした(感度66.7%、特異度62.8%)。この結果からオーラルフレイルを評価したところ、健常人は2,646人(23.3%)、プレオーラルフレイル(オーラルフレイルの前段階)に該当した人は1,605人(14.1%)、オーラルフレイルは5,335人(46.9%)、重度のオーラルフレイルは1,788人(15.7%)でした。
重度のオーラルフレイル群は、健常群と比べて、高齢、現在喫煙者が多い、飲酒者が少ない、経済的地位が低い、薬物療法を受けている人が多い、身体的・心理的フレイルに該当する人が多い、などの特徴が認められました。
また、追跡期間の中央値は5.3年(5万7,157人年)で、1,184人(10.4%)が死亡していました。オーラルフレイルと死亡リスクの関連について、身体的・心理的フレイル、生活習慣、病歴などの影響を統計学的に取り除いた上で、Cox比例ハザードモデルを用いて解析した結果、健常群と比較して、プレオーラルフレイル群(ハザード比1.29、95%信頼区間1.02~1.63)、オーラルフレイル群(同1.22、1.01~1.48)、重度のオーラルフレイル群(同1.43、1.16~1.76)は、死亡リスクが有意に高いことが分かりました(傾向性P=0.002)。

以上から、身体的・心理的フレイルの影響を調整しても、オーラルフレイルは死亡リスクと関連することが分かりました。
詳細なメカニズムはまだ分かっていませんが、口の健康・機能は健康を維持するために大切なようです。若いうちから、気をつけましょうw (小児科 土谷)

