脳には報酬回路というものがあります。

快感や満足感を生み出し、特定の行動を繰り返すように促す神経回路で。神経伝達物質である「ドーパミン」が関与し、「やる気」の源となる回路です。


プラセボ効果(偽物の薬剤を飲んでも現れる効果)は、脳の報酬回路(ドーパミンシステム)と関係していますが・・・人工的に報酬回路を刺激したら、ワクチンや薬剤が実際よりよく効くようになるのでしょうか?

Upregulation of reward mesolimbic activity and immune response to vaccination: a randomized controlled trial | Nature Medicine

 

ニューロフィードバック法を用いて、脳の報酬回路を人工的に刺激し、それがワクチン接種後の抗体産生促進に繋がるか調べています。ちなみに、ニューロフィードバックとは新しい脳機能トレーニングの方法で、被験者は機能的磁気共鳴画像法(fMRI)で得られた自分の脳活動(血流の変化など)の変化についてリアルタイムでフィードバックを受けながら、被験者自身が脳の特定の領域(たとえば、特に報酬回路)を自己制御できるように繰り返しトレーニングするものです。


今回の研究では、このニューロフィードバックの手法を用いて中脳辺縁系の報酬回路の活動を増加させるように訓練を繰り返した被験者とそうでない対照群の人たちに対してB型肝炎ワクチンを接種し、接種から14日目、28日目の抗体産生量を調べました。

 

その結果、報酬回路の活性が高くなるほど、B型肝炎に対する抗体産生量が多くなっており、報酬回路以外を刺激した時、あるいは報酬回路無刺激の時にはこのような促進効果は認められませんでした。


この現象の機序はまだ不明ですが、現象としては「信じるものは救われる」的で、とても面白いですね。

ポジティブに念じてワクチン接種を受けたら良い結果が出るかもしれませんw (小児科 土谷)