院長先生のブログ
子どもの熱中症③
今回は未就学児の熱中症に着目してみました。
先のブログでも述べたように、未就学児は熱中症のリスクが高いことが知られています。
「熱中症環境保健マニュアル 2022」によると、乳幼児の熱中症死亡事故は、特に0歳と1
歳の発生が多いことが分かります。
環境省熱中症予防情報サイト 熱中症環境保健マニュアル 2022 (env.go.jp)
未就学児に起こる熱中症
令和4年度の熱中症による救急搬送状況(総務省)によると、新生児と乳幼児を合わせた未就学児(相当)は、例年5~9月の間に数百人救急搬送されています。
heatstroke_geppou_202205-09.pdf (fdma.go.jp)
医療機関での治療は97%以上の大多数が外来診療や点滴で終了しており、入院例は3%以下と軽症例が多いことが分かっています。一方、発見時にすでに心肺停止状態で、救命処置に反応せず死亡を余儀なくされた例も報告されており、死亡は発症当日に多いことも分かっています。
以上から、熱中症は早期発見と適切な応急処置によって、早期に回復可能な病気である一方、発見が遅れると心肺機能が低下して心停止に至る病気であることが分かります。
未就学児であれば、激しい運動を長時間続ける可能性は低いでしょう。
見守りされず、暑い中で閉鎖空間に放置されたり、直射日光に当たり続ける環境に放置されたりすると致命的な熱中症を引き起こしてしまいます。
これからの暑い季節、「子どもから目を離さない」ことが重要です。不幸な事故を起こさないよう、普段から熱中症対策を心がけましょう! (小児科 土谷)