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見附市小児科 みつけこどもクリニック | 小児科一般診療・予防接種・乳児健診 見附市

ChatGPTによるアドバイス

皆様もご存じのChatGPTは、医療業界においても「色んな意味」で注目を集めています。

ChatGPTに対して、抗菌薬処方に関する質問を投げかけ、得られる助言の適切性、一貫性、患者の安全性について評価した論文( The Lancet. Infectious diseases. 2023 Apr;23(4);405-406.)があるので紹介します。

ChatGPT and antimicrobial advice: the end of the consulting infection doctor? – The Lancet Infectious Diseases

 

臨床医がChatGPTに助言を求めるという設定で、以下の8つの状況に関する質問を投げかけました。

1)第1選択薬で効果不十分な蜂窩織炎
2)腹腔内膿瘍に対する抗菌薬による治療期間
3)カルバペネマーゼ産生菌に感染した患者の発熱性好中球減少症
4)複数の薬剤が禁忌の患者における原因不明の感染症
5)院内肺炎に対する経口抗菌薬のステップダウン
6)カンジダ血症の患者の次の管理ステップ
7)中心静脈カテーテル関連血流感染症の管理方法
8)重症急性膵炎の患者に対する抗菌薬の使用

 

その結果、ChatGPTによる回答はスペルや文法に一貫性があり、意味も明確なものでした。

助言の中身はというと・・・

*抗菌スペクトルとレジメンは適切で、臨床反応の意味を理解していました。
*血液培養の汚染などの問題点を認識していました。
*基本的な抗菌薬スチュワードシップ(細菌感染の証拠がある場合のみ抗菌薬を使用するなど)が盛り込まれていました。
*治療期間:一般的な治療期間は適切でしたが、治療期間を延長する際の根拠とされる引用が誤っていたり、無視されたりするなど、ばらつきがみられました。
*抗菌薬の禁忌を認識していなかったり、患者の安全性に関する情報を見落としたりするなど、危険なアドバイスが繰り返されることがありました。

ChatGPTのようなAIによって、正確で安全な助言が得られるようになれば、現在の臨床現場に大きな革命を起こすことになると思いますが、患者さんの置かれた状況が複雑な場合や重要な情報がきちんとAIに提供されていない場合は「危険なアドバイス」をしてしまうこともあるようです。

 

こういった問題点は徐々に解消されていくと思いますが、現段階ではまだ「発展途上」、これからに期待!ということですねw (小児科 土谷)

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