院長先生のブログ
運は遺伝する
タイトルを見て、面白そうだったので読んでみました。
「運は遺伝する」 橘 玲、安藤寿康 著
ひと言でまとめると、(人間の外観だけでなく)才能などについて、遺伝と環境の影響に関する最新の研究成果をまとめた本でした。一卵性双生児や二卵性双生児の特徴などを統計的に解析し、遺伝の影響、家庭環境の影響、その他の影響についての考察を二人の対談という形で深掘りしています。
「運も遺伝する」は、ショッキングなタイトルですが、「運を活かすかどうかのタイミングで、どのような行動をするか」は、遺伝の影響が大きいとのことでした。
解釈する上で注意すべきポイントが幾つか挙げられていましたが、最も重要なことは、あくまでも統計と確率の問題ということです。
遺伝の影響が大きいという結果でも、環境の影響がゼロであるわけではありません。
人の特性は、「遺伝」×(あるいは+)「環境」になるので、両方が大切であることは間違いありません。「遺伝」「生まれつきの能力」があっても、誰もが大成するわけではないのです。
気軽に手に取った本でしたが、なかなか考えさせられる本でしたw (小児科 土谷)