院長先生のブログ
COVID-19 ワクチン⑤
妊婦への新型コロナワクチン接種は新生児にどんな影響を及ぼしたのでしょうか?
JAMAにそれに関する論文が出ていたので紹介します(JAMA. 2024;331(5):396-407.)。
Neonatal Outcomes After COVID-19 Vaccination in Pregnancy | Vaccination | JAMA | JAMA Network
2021年6月~2023年1月の期間、スウェーデンとノルウェーで196,470人の新生児について調査を行い、妊娠中にワクチン接種を受けた母親(48%)とそうでない母親について、生まれてきた子どもでの死亡率、および非外傷性脳内出血と低酸素性脳症の頻度を比較しました。
その結果、両国ともに、ワクチン接種群のほうが新生児の死亡率が有意に低かったことがわかりました。
その主な理由は、ワクチン接種群では新生児の非外傷性脳内出血と低酸素性脳症の発症率が非接種群に比べて有意に低かったためです。そして、ワクチン接種後、新生児での副反応リスク増加は見られませんでした。
以上から、妊婦への新型コロナワクチン接種は新生児の健康に不当な影響を及ぼすことはなく、新生児の死亡率を下げるのに有効だったことがわかりました。
欧米の他の国々の結果と一致するものなので、信頼性は高そうです。(小児科 土谷)