院長先生のブログ
パンデミックの文明論
実家帰省中ですが、暇なので読み残した本を読んでいます。
「パンデミックの文明論 (文春新書)」 ヤマザキマリ・ 中野信子
新型コロナウイルス感染症で日本中がパニックになっていた時の対談です。
脳科学者とイタリア在住の漫画家による客観的な男前の議論は流石ですねw
COVID-19で浮かび上がった国民性の違いは興味深いものがあります。
欧米では徹底した根絶を目指した割にマスクを拒み、政府のあいまいな感染対策の日本は自粛警察という怖い人たちの出没で感染もほどほどにコントロール出来たという結果を見事に予測していました。
その一方、文明的に人々が不安に陥るパンデミックの後にはファシズムやナチズムが勃興した事実、自粛警察等のバッシングはドーパミンが放出され「正義中毒の快楽」によると指摘していたのは興味深かったです。
COVID-19が収まった今 、振り返ってみると、当時の本の中でも現在の検証に耐え得る数少ない 一冊だと思います。
そして、情報過多の現代では、メタ認知による自己客観化が不可欠であるように思えました。 (小児科 土谷)