院長先生のブログ
餅による窒息死のリスクが高いのは?
もうすぐお正月です。お正月の三が日に窒息で救急搬送される高齢者は後を絶ちません。
Epidemiology of Food Choking Deaths in Japan: Time Trends and Regional Variations (jst.go.jp)
人口動態調査死亡票を用いた研究で、1月のうち元旦、2日、3日の「三が日」に窒息による死亡が集中していることが報告されています(一番多いのは元旦)。一番左のグラフは、縦軸ではなく、これがグラフの値そのものです。ほかの暦日と比べると圧倒的に多いことが分かります。
また、窒息による標準化死亡比は新潟県が最も高いとされています。
新潟県の1世帯当たりの餅の消費量は全国8位で、救急搬送までの時間は全国ワースト7位であるため、これらの組み合わせによって餅による窒息死のリスクが高いとされています。
Epidemiology of Food Choking Deaths in Japan: Time Trends and Regional Variations (jst.go.jp)
餅による窒息事故は、医療機関が手薄な正月の「三が日」に集中します。小さな子どもや高齢者は窒息のリスクが高いので要注意です。
餅による窒息死という観点から、我々はハイリスク地域に住んでいるということを認識しておきましょう。
細かく切るなどの工夫をすることで窒息リスクを減らすとともに、万が一餅が詰まって窒息した場合の対応について、今のうちに確認しておきましょう! (小児科 土谷)
年末年始、餅による窒息事故に御注意ください! -加齢に伴い、噛む力や飲み込む力が衰えてきます。小さく切って、少量ずつ食べましょう- | 消費者庁 (caa.go.jp)