自分もある意味、よい年齢なので、こういうテーマが気になってしまいます。
生物学的な「老化」の速度は、遺伝、環境、生活習慣などによって変化するといわれていますが、実際にどんな人が「老化」(老けやすい)しやすいのでしょうか(The journals of gerontology. Series A, Biological sciences and medical sciences. 2023 Jul 08;78(7);1083-1091.)。
修正可能な因子と老化の速度との関連を調べるため、メンデルランダム化解析を行いました。修正可能な19個の代謝関連因子(BMI、ウエスト周囲径、体脂肪率、小児期の肥満、2型糖尿病、LDLコレステロール値、HDLコレステロール値、中性脂肪値、収縮期血圧、拡張期血圧、CRP値)、生活習慣(喫煙、アルコール摂取、コーヒー摂取、昼寝、睡眠時間、中・高強度の身体活動)、社会経済的因子(教育、収入)に関連する遺伝子変異について、欧州の最大100万人を対象としたゲノムワイド関連研究(GWAS)から抽出しました。これらの遺伝子変異とGrimAgeおよびPhenoAge(GrimAgeとPhenoAgeはいずれも生物学的老化の評価指標で、GrimAgeの方が死亡率との関連が強い)との関連は、欧州の28コホート、3万4,710人を対象に解析しました。関連の大きさを調べるため、回帰係数(β)±標準誤差(SE)を求めました。
GrimAge、PhenoAgeの変化に有意な関連のあった因子は以下の通り。
【GrimAgeに基づく老化の加速・減速関連因子】
〈老化を加速(β±SE[年])〉
1位:喫煙、1.299±0.107
2位:アルコール摂取増加、0.899±0.361
3位:ウエスト周囲径増加、0.815±0.184
4位:昼寝、0.805±0.355
5位:体脂肪率増加、0.748±0.120
6位:BMI上昇、0.592±0.079
7位:CRP値上昇、0.345±0.073
8位:中性脂肪値上昇、0.249±0.091
9位:小児期の肥満、0.200±0.075
10位:2型糖尿病、0.095±0.041
<老化を減速(β±SE[年])>
1位:教育年数が長い、-1.143±0.121
2位:世帯収入が高い、-0.774±0.263
【PhenoAgeに基づく老化の加速・減速関連因子】
〈老化を加速(β±SE[年])〉
1位:体脂肪率増加、0.850±0.269
2位:ウエスト周囲径増加、0.711±0.152
3位:BMI上昇、0.586±0.102
4位:喫煙、0.519±0.142
5位:CRP値上昇、0.349±0.095
6位:小児期の肥満、0.229±0.095
7位:2型糖尿病、0.125±0.051
<老化を減速(β±SE[年])>
1位:教育年数が長い、-0.718±0.151
以上から、老化と老化の速度に関わる危険因子として、肥満関連の指標(小児期の肥満もランクイン!)、喫煙、低学歴が影響を及ぼすことが分かりました。
誰しも、「いつまでも若々しくありたい」と思うはず。。
今更遅いような気もしますが、自分も今の生活習慣、見直してみようかな。。(小児科 土谷)


