短時間睡眠は子どもの発達に有害な影響を及ぼす可能性があることがこれまでにも報告されていますが、小児期に睡眠時間が短いと、若年期の精神病発症リスクが上がる可能性があるみたいです( JAMA psychiatry. 2024 May 08; pii: e240796.)。

Role of Inflammation in Short Sleep Duration Across Childhood and Psychosis in Young Adulthood | Sleep Medicine | JAMA Psychiatry | JAMA Network

 

英国の出生コホート研究であるAvon Longitudinal Study of Parents and Childrenのデータを用いて、6ヵ月、18ヵ月、30ヵ月、3.5歳、4~5歳、5~6歳、6~7歳時点の夜間睡眠データを収集しました。24歳時に精神病体験(PE)と精神病性障害(PD)をPsychosis-like Symptoms Interview(PLIKSi)で評価しました。CRP値とIL-6値は9歳・15歳時に血液採取で測定しました。夜間睡眠時間の軌跡を検出するために潜在クラス成長分析(LCGA)を実施し、24歳時点の精神病転帰との縦断的関連についてロジスティック回帰分析を、CRP値とIL-6値が潜在的な媒体因子であることを検証するためにパス解析を行いました。

 

その結果、小児1万2,394例(女児6,254例[50.5%])、ロジスティック回帰とパス分析では若年成人3,962例(女性2,429例[61.3%])のデータが得られました。


LCGAにより、小児期を通じて夜間の睡眠時間は4クラスに分けられました。

持続的睡眠時間が最も短い群(301例[2.4%])は、24歳時のPD(オッズ比[OR]:2.50、95%信頼区間[CI]:1.51~4.15、p<0.001)およびPE(OR:3.64、95%CI:2.23~5.95、p<0.001)のリスクが有意に高かったことが分かりました。


9歳時のIL-6値の上昇は、持続的な睡眠時間の短さとPD(バイアス補正推定値=0.003、95%CI:0.002~0.005、p=0.007)およびPE(バイアス補正推定値=0.002、95%CI:0~0.003、p=0.03)との関連を部分的に媒介していましたが、9歳時または15歳時のCRP値にはこのような関連性は認められませんでした(IL-6値で測定される炎症が潜在的な機序経路の1つである可能性がある)。

 

以上から、乳児期から小児期の睡眠時間が持続的に短い群では24歳時の精神病の有病率が有意に高かったことが分かりました(小児期に持続的に睡眠時間が短いと、若年期の精神病発症リスクが上がる可能性がある)。

 

子どもに限らず、大人の我々にとっても、毎日の「睡眠」は大切ですが・・・

小さな頃から良い睡眠週間を身につけられると良いですねw (小児科 土谷)