夜勤と行動嗜癖の一つであるギャンブル障害との間に関連があるのか調べた研究(Addictive behaviors. 2024 Sep;156;108071. doi: 10.1016/j.addbeh.2024.108071.)を紹介します。

Association of night-shift work with gambling and problem gambling among workers in Japan: A nationwide cross-sectional study – ScienceDirect

「JASTIS研究」の2023年2月のインターネット調査データを用いて、夜勤の有無とギャンブルの関連について調査しました。ギャンブルを利用している人には「PGSI」という自記式スクリーニングテストを用いて、仕事、経済状態、人間関係や心身の健康など、ギャンブルに関連した問題の有無・程度を評価し、27点中8点以上を「問題ギャンブリング」と定義しました。

 

その結果、調査対象者2万1,134人(年齢範囲15~82歳、女性43.8%、夜勤者28.0%)のうち、ギャンブル利用者(1年以内にギャンブルを利用)は9,739人でした。

全対象者のうち、ギャンブル利用者の割合(2019年の国民生活基礎調査を用いた重み付け後割合)は、夜勤者が55.4%、非夜勤者が42.1%でした。人口統計学的因子や喫煙・飲酒習慣、精神疾患や心理的苦痛などの影響を調整した多変量ロジスティック回帰モデルで解析した結果、夜勤者はギャンブル利用と有意に関連していました(非夜勤者と比較したオッズ比1.39、95%信頼区間1.25~1.53)。

 

また、ギャンブル利用者のうち、問題ギャンブリングに該当した人の割合は、夜勤者が24.2%、非夜勤者が8.8%でした。問題ギャンブリングと夜勤の関係について、同様に解析を行った結果、夜勤は問題ギャンブリングと有意に関連していることが分かりました(同1.94、1.57~2.40)。

さらに、夜勤者のうち、シフトのローテーションの有無で分けて分析したところ、ローテーションのある人(同1.46、1.28~1.68)、ない人(同1.32、1.16~1.50)のどちらも、ギャンブル利用と有意に関連していた一方で、問題ギャンブリングに関しては、ローテーションのある人(同2.84、2.23~3.63)でのみ有意な関連が認められ、ローテーションのない人(同1.07、0.79~1.45)では関連は認められませんでした。

夜勤を含むシフト勤務者の睡眠に関する問題は「交代勤務睡眠障害」と呼ばれています。

交代勤務睡眠障害により、ギャンブル利用が促進されたり、ギャンブルがやめられなくなってしまう可能性は否定できません。

勤務医時代、自分の当直(基本的に殆ど眠れない)明けは眠くて速攻帰って爆睡してましたが・・・夜勤のある人は、ギャンブルから生活や健康問題が発生する可能性が高いということを知っておきましょう! (小児科 土谷)