ニルセビマブの実臨床におけるRSV関連細気管支炎に対する有効性について調べた論文(The New England journal of medicine. 2024 Jul 11;391(2);144-154.)を紹介します。

Nirsevimab and Hospitalization for RSV Bronchiolitis | New England Journal of Medicine (nejm.org)

 

2023年10月15日~12月10日に、PCR法でRSVが検出されたRSV関連細気管支炎で入院した乳児を症例群、RSV感染とは関係のない症状で同じ病院を受診した乳児を対照群として、年齢、病院受診日、試験施設を2対1の割合でマッチさせ、交絡因子を調整した多変量条件付きロジスティック回帰モデルを用いて、ニルセビマブのRSV関連細気管支炎による入院に対する有効性を算出しました(いくつかの感度解析も実施)。

 

解析対象は1,035例で、症例群690例(年齢中央値:3.1ヵ月[四分位範囲[IQR]:1.8~5.3)、対照群345例(3.4ヵ月[1.6~5.6])でした。このうち、症例群60例(8.7%)、対照群97例(28.1%)にニルセビマブ投与歴がありました。

 

その結果、RSV関連細気管支炎による入院に対するニルセビマブの調整推定有効率は83.0%(95%信頼区間[CI]:73.4~89.2)でした(すべての感度解析で、主要解析と同様の結果だった)。

小児集中治療室(NICU)入室を要するRSV関連細気管支炎に対するニルセビマブの有効率は69.6%(95%CI:42.9~83.8)(症例群14.0%[27/193例]vs.対照群32.2%[47/146例])、人工呼吸器を必要とするRSV関連細気管支炎に対する有効率は67.2%(95%CI:38.6~82.5)(症例群14.3%[27/189例]vs.対照群30.5%[46/151例])でした。

 

観察症例対照試験なので因果関係についての結論を導き出すことはできないこと、対照群でRSVのPCR検査が実施されていない、対照群は小児救急外来を受診した患者だが症例群は入院患者だったなど、研究の限界はありますが、ニルセビマブはRSウイルス関連細気管支炎による入院リスクを低下させるようです。

 

個人的には、読んでいて「(フランスで生まれた)すべての小児にニルセビマブ単回投与を無料で行うことが推奨」というポイントに着目。

日本も早く、そんな「子どもたちに優しい国」になってくれないかな~と思ってしまいました。 (小児科 土谷)