寒い時期になると、インフルエンザが流行してきます。案の定、現在も流行中ですし。。

今日はインフルネタにしようと思います。

インフルエンザに対する感染対策では、手指衛生やマスク着用などが推奨されることが多いですが、家庭におけるこれらの対策は有効なのでしょうか?(International journal of infectious diseases : IJID : official publication of the International Society for Infectious Diseases. 2024 Nov 04;107291. doi: 10.1016/j.ijid.2024.107291.)

Non-pharmaceutical interventions to reduce influenza transmission in households: a systematic review and meta-analysis – International Journal of Infectious Diseases

 

多くの国で推奨されている9つの非薬物介入(手指衛生、咳エチケット、マスク、フェイスシールド、表面の清掃、換気、加湿、感染者の隔離、物理的距離の確保)が家庭内のインフルエンザ感染予防として有効かどうか検討しています。

2022年5月26日~8月30日にMedline、PubMed、EMBASE、CENTRALを検索し、システマティックレビューを実施しました。「家庭」は血縁に関係なく2人以上で暮らしている集団とし、学生寮や老人ホームなどで実施された研究は除外しました。メタ解析では、非薬物介入の有効性のリスク比(RR)と95%信頼区間(CI)を算出しました。全体的な効果は、固定効果モデルを使用したプール解析で推定しました。

 

その結果、手指衛生については、5,118例の参加者を対象とした7件のランダム化比較試験を特定し、そのうち6件をメタ解析に含めました。マスク着用については、4,247例の参加者を対象とした7件のランダム化比較試験を特定してメタ解析に含めました。


手指衛生はインフルエンザの家庭内感染に有意な予防効果をもたらしませんでした(RR:1.07、95%CI:0.85~1.35、p=0.58、I2=48%)。

マスク着用は家庭内感染予防に効果がある可能性があるものの、統計的に有意でありませんでした(RR:0.59、95%CI:0.32~1.10、p=0.10、I2=16%)。


手指衛生とマスクの併用でも、統計的に有意な家庭内感染の減少は認められませんでした(RR:0.97、95%CI:0.77~1.22、p=0.24、I2=28%)。

プール解析でも手指衛生やマスク着用が家庭内感染に有効な効果をもたらすことは確認されませんでした。初発患者の症状発現早期に手指衛生やマスク着用を開始することは、家庭内における感染予防に効果的である可能性が示唆されました。そして、上記以外の7つの非薬物介入の有効性に関する公表されたランダム化比較試験は確認されませんでした。

 

以上から、システマティックレビューおよびメタ解析の結果から、非薬物介入は家庭内感染に影響を及ぼさなかったことが明らかになりました。

 

どうやら非薬物介入だけでインフルエンザの家庭内感染を防ぐことは難しいようです。

高齢者や基礎疾患のある方、ワクチンを接種できない新生児・乳児の方々と同居されている皆さんは、積極的に予防接種を行いましょう(コクーン戦略)。 (小児科 土谷)