RSウイルスに対する2価融合前F蛋白ベース(RSVpreF)ワクチンの高齢者に対する有効性について検討した研究(JAMA network open. 2024 Dec 02;7(12);e2450832. pii: e2450832.)を紹介します。

Estimated Vaccine Effectiveness for Respiratory Syncytial Virus–Related Lower Respiratory Tract Disease – PMC

 

高齢者におけるRSVpreFワクチンの有効性を評価するために後ろ向き症例対照研究を行いました。

対象は、2023年11月24日~2024年4月9日にカイザーパーマネンテ南カリフォルニア病院に下気道疾患で入院または救急外来を受診してRSV検査を受けた60歳以上の患者でした。

下気道疾患に罹患する21日以上前にRSVpreFワクチンを接種した患者はワクチン接種済みとみなし、RSVpreFワクチンではないRSVワクチンの接種者は除外されました。

対照は、以下の2つの定義が事前に規定されました。
(1)厳密な対照群:RSV陰性、ヒトメタニューモウイルス陰性、SARS-CoV-2陰性、インフルエンザ陰性で、ワクチンで予防できない原因による下気道疾患
(2)広範な対照群:RSV陰性のすべての下気道疾患

 

その結果、解析にはRSV検査結果のある7,047例の入院または救急外来受診患者が含まれました。平均年齢は76.8(SD 9.6)歳、女性は3,819例(54.2%)、免疫不全は998例(14.2%)、併存疾患を1つ以上有していたのは6,573例(93.3%)で、最も多い診断は肺炎でした。


RSV陽性は623例(8.8%)、RSV陰性(=広範な対照群)は6,424例(91.2%)で、そのうち厳密な対照群に該当するのは804例でした。また、RSVpreFワクチンを接種していたのは、全体では3.2%で、RSV陽性群は0.3%(2例)、厳密な対照群は3.6%(29例)、広範な対照群は3.4%(221例)でした。


RSV陽性群と厳密な対照群を比較した解析では、調整後のワクチンの有効性は91%(95%信頼区間[CI]:59~98)と推定されました。
RSV陽性群と広範な対照群を比較した解析では、調整後のワクチンの有効性は90%(95%CI:59~97)と推定されました。
重度の下気道疾患による入院および救急外来受診に対する調整後のワクチンの有効性は89%(95%CI:13~99)と推定されました。

 

以上から、RSVpreFワクチン接種は、60歳以上の成人において、RSV関連下気道疾患による入院および救急外来受診に対する予防効果を示したことが分かりました。

 

RSVウイルス感染症は子どもだけの病気ではありません。

高齢者も罹患すると重症化する場合があります。該当する方は、是非ワクチン接種をご検討ください。 (小児科 土谷)