帝王切開(CD)で生まれた子どもにおける、長期的な健康や発達における悪影響に関連があるか調べた研究を紹介します( Scientific reports. 2025 Jan 20;15(1);2485. pii: 2485.)。

Cesarean delivery on child health and development in Japanese nationwide birth cohort | Scientific Reports

 

「日本産科婦人科学会周産期登録(PRN)データベース」にリンクされた「21世紀出生児縦断調査」を利用して、CDと子どもの健康および発達との関連を調査しました。

出生日、性別、出生時体重、出生時の母親の年齢、在胎週数の情報を使用し、PRNデータベースと21世紀出生児縦断調査を組み合わせた独自のデータセットを作成しました。最終的に、2010年5月10日から5月24日に出生した2,114人(正常分娩群;1,351人、CD群;763人)を研究に含め、0.5~9歳までに発生した複数の転帰を評価しました。

入院(呼吸器感染症と胃腸疾患による入院、および呼吸器感染症と胃腸疾患を含む全原因入院)は1.5~5.5歳までの調査で報告された0.5~5.5歳までの入院経験と定義し、過体重・肥満は、世界保健機関(WHO)の基準に基づいたBMIスコアを用いて5.5歳と9歳で評価しました。発達のマイルストーン(運動、言語、認知、自己制御、社会情緒、注意、適応能力、素行など)は2.5歳、5.5歳、8歳で評価した。

 

潜在的な交絡因子を調整して解析した結果、CDは全原因入院(調整リスク比1.25〔95%信頼区間0.997~1.56〕)、5.5歳(同1.05〔0.68~1.62〕)および9歳(0.83〔0.52~1.32〕)での過体重・肥満、およびさまざまな発達マイルストーンを含むほとんどの転帰と有意な関連は認められませんでした。また、多胎出産および早産の状態別に層別化したサブグループ解析を行った結果、多胎出産ではいくつかの発達マイルストーンと、早産では胃腸疾患による入院といくつかの発達マイルストーンに、それぞれCDとの関連が高い傾向が認められましたが、いずれも有意ではありませんでした。

 

以上から、帝王切開(CD)で生まれた子どもと、長期的な健康や発達における悪影響との間には有意な関連はないようです。

 

両親や我々医療従事者に安心感を与える研究結果でしたが、今後、より長期間の追跡調査、より大きなサンプルサイズ、他の媒介因子の評価が待たれます。 (小児科 土谷)